あたらし(o-ω-o)

雑食音楽好きの日々です(・ω・´ 自分の日々のgdgdや、歴史に埋もれてしまった作曲家の再発掘・紹介など

フランス式装飾音表 小まとめ 

 

バロック期のフランス・クラヴサン楽派によって体系化したフランス式
装飾音―Agrément/アグレマンについて、主に装飾記号を用いているもの
またはよく見られる・使われるものを、影響を受けた作曲家の解釈も含めて覚え書きします。

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参考として、フランスの作曲家またはフランス・クラヴサン楽派である
J-H.ダングルベール(D'Anglebert):Pièce de Clavecin (1689)
大クープラン(F.Couperin):Pièce de Clavecin (1713-1730)
J-H.フィオッコ(J-H.Fiocco):Pièce de Clavecin (1730)

ならびにドイツの
大バッハ(J.S.Bach):Clavier-Büchlein vor W.Fr. Bach(1720-)
の装飾音表を底本とする。


なお、用語については、装飾記号の付された音を被装飾音と呼ぶことにする。
またこれをC(ド)と置き、2度上または2度下の実際の装飾音に対して主要音と呼ぶ。
音符の長さを音価と呼ぶ。

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トランブルマン/Tremblement
「Tremblement」は「振動」の意。プラルトリラー/Pralltriller[独]と同義。
主要音の2度上の音から主要音とを上下に揺らす。

Tremblement simple/トランブルマン・サンプル
2015_Trem.png
「simple」は「単純」の意。単純なプラルトリラー。
2度上の音から始める慣習から最低でも振動(反復)は2回現れる。
反復回数は演奏者にゆだねられるが、まれに装飾記号の波を伸ばして
現代のトリルのように反復回数を多くさせる指示もみられる。

いずれにしても、被装飾音の音価が判断の一基準である。


Tremblement appuyé/トランブルマン・アピュイ
2015_Trem_apy.png
装飾記号の前方(左端)に縦棒をつなげた形。

「appuyé」は「支え(の音)」の意。
これは初めに現れる主要音の2度上の音を指す。(F.Couperin-Tremblementの3要素の1つ*1)
奏法は、通常のTremblementの初めの2度上の音を(主要音に寄り掛かるように)長めにとる。

J.S.BachはAccent und trilloと記し、つまり前打音(アポジャトゥーラ/Appoggiatura[伊](寄り掛かる))
付きのトリロとした。

よって総合的に、前打音(倚音)付きプラルトリラー、より明快に訳すとすれば
「寄り掛かりのあるプラルトリラー」とみることができる。


Tremblement lié/トランブルマン・リエ
2015_Trem_lie.png底本の解釈例と後年の解釈例
「lié」は「つなぐ」の意。被装飾音のひとつ前の順次進行音とスラーがかかる形。
表記として、スラーの終点はプラルトリラーの上方・下方のどちらともがみられる。
奏法は、現代の前打音(群)のようにひとつ前の音に反復音を処理させて、
被装飾音の終止点と拍の頭が一致するように奏するのがピアノ奏法で一般的であるが、
底本ではスラーを掛けてひとまとまりとはするものの、
通常のtremblementと同様に装飾を拍の頭と同時に開始するものとしている。

よって作曲家の指示があるならそれに従って演奏する。


Tremblement ouvert/トランブルマン・ウ(ー)ヴェール (F.Couperin, J-H.Fiocco)
2015_Trem_ouv.png
「ouvert」は「開いた」の意。装飾記号の後方(右)に上向きのヒゲが付される。
被装飾音の末尾をターンの様に処理する。一般的に上行する音に続く。

別称にTremblement et pincé(D'Anglebert)やTrillo und mordant(J.S.Bach)があることから
つまりはプラルトリラーとモルデントを組み合わせた装飾記号として生まれたと推測できる。

*1. F.Couperin -
長い音価をもつトランブルマンは3つの要素を持つ。
トランブルマンの3要素
1. アピュイ/L'Appuyé ― 支え(主要音の2度上の音)
2. バットマン/Les Battement(打つ) ― 反復音
3. ポアン・ダレ/Le Point-d'arrêt ― 停止点



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Pincé/パンセ
Mordent/モルデント[独]と同義。Tremblementと逆で2度下側に揺らす。
"2度上の音から始める"慣習を適用しても現代の奏法と変わりはあまりない。
接尾辞を付してPincementとするものもみられる。

Pincé simple/パンセ・サンプルPincé double/パンセ・ドゥーブル
2015_Pince.png
パンセは細かく分けて-simple(単純)と-double(2重)があり
-simple(単純)は短いモルデントとして1,2回の振動、
-double(2重)は長いモルデントとして2回以上の振動を加えるという様に、おおよそ記される場合がある。
Tremblementと同じように、反復回数は演奏者が任意で決める。


Pincé et port de voix/パンセ・エ・ポール・ド・ヴォワ
L.Cl.Daquinを参考に加える。
2015_Pince_pdv.png
全体を訳すと「声を運ぶモルデント」。装飾記号前方(左)に下向き(上に突)のヒゲが付される。

2度下の音から始めるPincé。
Tremblement appuyéのように初めの2度下の音を長めにとる。
(長めに扱わない場合、ターン(Cadence/カ(キャ)ドンスまたはDoublé)の一種となる。)

Tremblement appuyéの逆のAppoggiatura―前打音(倚音)付きモルデントとみることができる。

(作曲家により表記の揺れがありF.CouperinはPort de voix simpleまたはPort de voix doubleと記した。
譜表に加えたL.Cl.Daquinはport de voix et pincéと記し、etを中心に逆転している。)

(またport de voixはポルタメントへ派生した語でもある。)



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Coulé(e)/クレ
「Coulé」はおよそ「流れる」の意。
主要音と2度の関係の前打音を音価分とって滑らかにつないだり、
跳躍する2音間の音をレガートにつなげるときに使われる演奏技法。

Tierce coulé/ティエルス・クレ
2015_coule_3.png
「tierce」は「3度」の意。またCoulé de tierceと記される場合もある。
3度走音と和訳される。3度和音の間に斜線を挟んだ形。
斜線の傾きで上行下行が決まるが上行がよくみられる。

奏法は、3度和音のアルペジオ中に上声音への経過音を加える。


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ここで説明したことは記号の意味の理解・解釈の仕方であって、
明確な奏法を伝えるものではありません。

装飾音とは最終的に演奏者の解釈にゆだねられるものであり、
数学的に"前打音の音価"や"揺れ(反復音)の反復回数"などを唯一無二に
決めつけられるものではないからです。


個人的にはTrenblement ouvertの譜例でD'Anglebertはプラルトリラー記号の後方(右端)に
この時代に"Pincé"を意味する"括弧"を用いていますが、J-H.Fioccoは
(長い)プラルトリラーと括弧を合体させて"ひげ"になっていることが分かり興味深いです。

ではでは、乱文かつ不備があるとは思いますがこんな感じで(・ω・)ノ {フランスゴワカラヌス

category: 作曲家の資料

tag: 音楽  装飾音 
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本日のgdgd(01/12) 

 

20150112.jpg
サルトリイバラの実。

こちらの方言でモチシバやサンキラなどと言い、葉は柏餅の柏の葉の代わりに使われます。

フユイチゴ風味。


空苑です~(*・ω・)ノ

元日に浄書の作業風景を載せたソナタがやっと通しで弾けるようになりました(遅)

曲は前(昔?)に紹介したピントのグランドソナタハ短調。

もとの楽譜は古い書法のために、なかなか進みませんでしたが

校訂文と(勝手に)運指を足したらいいかなぁくらいまで来ました。

ダラダラやって2か月くらいかかったのですかね?(・ω・)


ではではまた(*´ω`*)

category: にっき(音楽)

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ひげ付きモルデント 

 

20150106.jpg
ひげ三種( ˙灬˙ )

フィオッコさんの浄書もしてるのですがモルデント(山が2コ)に下付きのヒゲが

生えてるのが要るのですが、ヒゲの形がいろいろあって混乱中です。(笑)


画像の一番上のすくい上げるようなヒゲがいいのですが、山が3コのしかないんですよね。。。

山が2コでこのヒゲは使われてないのでしょうかね。合成して作る?(汗)


バロックは難しいです(*´▿`*)


P.S. ついった復活させました。表示が変ですケド(滝汗)

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