あたらし(o-ω-o)

雑食音楽好きの日々です(・ω・´ 自分の日々のgdgdや、歴史に埋もれてしまった作曲家の再発掘・紹介など

C.ジャヌカン:「鳥の歌」 

 

今回はピアノ曲ではなく、多声歌曲です。
動画紹介も兼ねて。変な曲です(笑)

フランス・ルネサンス期の作曲家クレマン・ジャヌカン/Clément Janequin (ca.1480-1558)
のシャンソン「鳥の歌」(Le chant des oiseaux)です。

シャンソンと言っても、この時代では多声の通模倣様式(今日のフーガのように
各声部が模倣し合う様式)の世俗的な"歌"がこのように呼ばれます。
イタリアではフランス風カンツォーナと呼ばれるのですかね。
この曲は標準的な4声です。

ジャヌカンはJ.S.バッハより約200年も前の人ですが、今回の「鳥の歌」では
ルネサンス期の超絶的な作曲技法の一つの粋を聴くことができます。


2人のうち女性の方はUp主のZvianeさん。

詩もありますが、様々な鳥の声をオノマトペを用いて模倣した標題音楽であることが分かり
こちらの動画は、視覚的に分かりやすく説明された掛け合いが楽しい作品です。

しかし、この作品の作曲された背景を見ると、それぞれの鳥が
当時のフランス宮廷人を比喩していると言われています。

- - -

今回の曲は、鳥を模倣しているけれど、その鳥は宮廷人を茶化すような表現でもあるという
その時代と、かつフランスのお国柄の趣味に関して興味深い作品です。

冗談に聞こえる中にも、ジャヌカンの名人芸的な感性と技術が光っていますし
時代的に考えても、ここまで楽しませられることはスゴイですね。

category: あたらし作曲家【番外編】

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【はろいん録音】猫のフーガの主題によるフーガ!?(A.レイハ) 

 

今日はハロウィンということでその雰囲気に合わせた曲紹介&弾いてみたです。

チェコ生まれの作曲家アントニーン・レイハ(アントン・ライヒャ)(1770-1836)
"36のフーガ"作品36より第9番フーガ"ドメニコ・スカルラッティの主題による"を弾きました。

この曲の主題はD.スカルラッティK.30/L.499、通称"猫のフーガ"で有名な
謎めいた4声のフーガの主題をもとにしています。


ト短調、6/8拍子。

が、ゴドフスキーもびっくり!(してません)
2声にする代わりに、16分音符と半音階が詰まったフーガに生まれ変わってます。

冒頭は普通に"猫のフーガ"と変わらず、猫が鍵盤(主に黒鍵)の上を歩くかのような上行。

と思いきや、いきなりメロディが暴れだします(笑)

ケド、聴いてみるとワルツの様に半音階がクルクルヒラヒラとしてペダルが入るとイイ感じです(*´エ`*)

主題の調が変わるごとの色彩の変化も面白いですが、それに挟まれた経過句たちも

それぞれが良いトコ取りのような創意に富んだものになっています。


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動画の画像は猫つながりでスタンラン画のキャバレー「黒猫」のポスターです(*´ω`*)

曲は弾くのは慣れるまで大変ですが、器械的な練習が好きな人には結構オススメできます。
自分にはコケたり速度落ちたりで、全然制御できませんでしたケド(汗)

で結果として今回の録音はツギハギが1回入ってます(滝汗)


A.レイハは音楽理論家でもありましたし、1770年生まれとベートーヴェンと同い年なので
さぞ荘厳な曲を書いたのだろうと思いきや、かなり自由で冗談音楽的な作品も目に付きます。

作品36もその一つで今回の第9番以外にも、モーツァルトの主題でショッパナから
主題を2オクターブ跳躍させてみたり(第7番)、理論を熟知しているからこそできる
ワザを聴くことができるので興味があればどうぞ!(CD高いです(`エ´)←

とはいえ、作品36の献呈先はハイドンですし高度で意味深い曲集だと思います。


ここまで書いといて、ハロウィンに合う曲か自信無さ目ですケド、ではでは(゚▽゚)ノ

category: レイハ,A

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トラバーチ:半音階的フランス風カンツォーナ 

 

今回はピアノ曲ではありませんが、イタリアのジョヴァンニ・マリア・トラバーチ(ca.1575-1647)の
半音階的フランス風カンツォーナ第7番を紹介します。

原題は"Canzone francese settima cromatica."。
「フランス風の歌」の「第7番」で副題的に「半音階的」が付く、のような意味だと思います。

G.M.トラバーチは初期バロック期にナポリで活躍した作曲家・オルガニストで、
曲は当時の作風にのっとった"フーガ"のような対位法的な書かれ方ですが、
半音階的な主題がドラマティックな展開を見せる傑作です。



4声で書かれ、リコーダーのアンサンブルでよく演奏されるようです。

この時代の「カンツォーナ」形式は、拍子も違ういくつかの"段落(セクション)"で構成され、
今回の曲は3つの段落があり2・3つ目は繰り返しでくくられています。( A ||: B C :|| )


§1 - 0:00
trabaci_cf_s1.png
半音階的な主題が応唱で静寂の中に始まる。対旋律も最後まで重要なモチーフになります。
声部が応唱するごとに和声的な広がりが増していく提示部。

§2 - 2:21 (3:13)
trabaci_cf_s2.png
§1の主題が変奏され、流れ落ちるような4分音符が次々と各声部に現われて
織りをなすとともに、テンポが速い躍動的な段落。

§3 - 2:46 (3:39)
trabaci_cf_s3.png
躍動をせき止めるように最初のテンポに戻りますが、
対旋律はより装飾的で湧き上がるような音句が§2のように編み込まれてます。
感情的な高揚から美しい12度重ねの音句(3:03,3:57)に到達して
最後は第三音高位のピカルディ終止という、感動的な段落です。

- - - - -

初期バロック期の人ということで、あまりポピュラーでないためか訳語の表記ゆれが激しく、
トラバーチ/Trabaci はそのままでトラバチとされていたり、今回紹介した曲の題名も
知った時の"半音階的カンツォーナ・フランチェーゼ"で覚えてましたがカタカナで分かりにくい(>_<)


できれば難しいことはあまり考えず、聞こえたままに対位法的な掛け合いや
モチーフや和声の移り変わりを楽しむことのできる曲だと思うので、
バッハ以前の音楽にも、素敵な曲があるという魅力を発見していただければと思います~(*・ω・*)

category: トラバーチ,G.M

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【ラグタイム曲紹介】クレイプール:ラギング・ザ・スケール 

 

作曲家紹介、今回は視野を広げてラグタイム曲の紹介です!\(^0^)/

紹介するのはEd・B・クレイプールの1915年に発表された代表作
"ラギング・ザ・スケール(Ragging the Scale)"です。

エドワード・ブラウン・クレイプール(Edward Browne Claypoole 1883-1952)
アメリカ・メリーランド州バルチモアの作曲家で、多数のラグタイムを作曲しました。


オリジナル譜(ピアノソロ)のMIDI

連弾アレンジのピアノロール

ダンス付きのラグタイムであるフォックス・トロットの形式で書かれています。

意味としては「音階はラグ(タイムす)る」みたいな感じですかね?
音階(スケール)練習をラグタイムにしちゃいました!的なユーモアのある曲です。

出だしの主題から遠隔調への部分転調や、半音階的な和音進行など面白い試みが見られます。

後半は拡大された音階で感動的な和声進行をしたり、バロックとも古典派ともつかないような
接続句があったりと、聞き手を楽しませ飽きさせません。


- - - - -

"ラギング・ザ・スケール"はクレイプールの作品でも一番人気のようで、ピアノ独奏以外にも
ピアノ連弾やオーケストラ、その他の編成でも演奏されていて、また全体的に解釈の幅がある曲だとも思います。

ラグタイム曲はクラシックとジャズどちらが専門に調査して取り上げていくのか
難しい所がありますが、こうしたコンセプトが明確な良作はもっと聴きたいと思いますねo(^-^)o

なお、クレイプールは(有名なスコット・ジョプリンより)最近の作曲家ということで
著作権的にまだパブリックドメインではないので、楽譜のダウンロードは出来ません。

category: クレイプール,Ad.B

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【紹介】J.ダウランド:「おいで、もう一度」「彼女は言い訳できようか」 

 

20140403.jpg

少し前まで古楽にハマってました。空苑です。

でも結果的にイギリス・ルネサンス期のジョン・ダウランド(1563-1626)と
かなり近めの年代に落ち着くのですよね(笑)

ダウランドはリュート奏者なのですケド、大バッハより100年以上前の人物にして
時代を感じさせない躍動感とルネサンス期特有の爽やかな和声が心地よくて
とても好きな作曲家です。

全3巻の歌曲集の中から、スティング(Sting)というイギリスのロック歌手の方が
歌っているものがとても素敵なので貼ってみます。



おいで、もう一度 / Come Again(, sweet love doth now invite) / 歌曲集第1巻 第17番

前半はのびやかに歌われ、後半は駆け上がる音句と歯切れのいい歌詞が
躍動的で効果的な対比を見せますが、内容は失恋の歌で進むにつれて歌詞が憂鬱になっていきます。



彼女は言い訳できようか(彼女は私の過ちを許すだろうか) / Can she excuse my wrongs / 歌曲集第1巻 第5番

エセックス伯のガリアードとも言い、イギリスの第2代エセックス伯ロバート・テヴァルーの
エリザベス女王への想い(思い?)が歌われています。
この曲は3拍子ですが、時々見せる1.5拍子づつに半分に割るリズムと
後半の疾走感が魅力的で面白い作品です。


"彼女は言い訳できようか"は原曲に忠実でリュート伴奏と分身の術4声を別にしてもらってるのが贅沢です(笑)
"おいで、もう一度"は多少テンポ軸にアレンジが入っていますがほぼ原曲のようです。

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貼ってみるとどちらも第1巻からでした。1597年の出版です。


ダウランドの歌曲は、正統なクラシックの唱法よりスティングさんのような
地の声というか、こういう声のほうが合っていると思います。

歌詞から見ると「愛」とか「彼女」などの単語と「嘆き」「涙」といった単語の
対比がよく見られ、その上にダウランドの価値観みたいなものもよく解ります。


(デザイン性は高くも)楽譜も菱形の音符で英古語の時代に描かれたものですが
それを感じさせないダウランドの生き生きとした旋律にもっと耳を傾けてみてはいかがでしょう。

IMSLP / 歌曲集第1巻

category: あたらし作曲家【番外編】

tag: あたらし作曲家紹介  J.ダウランド 
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