そらぞのの音楽帳

歴史に埋もれた作曲家の再発掘・紹介など

作曲家シュモールについて(教則本Opp.91-95より) 

 

アントン・シュモールについて以前"The Etude"誌(1900年)より記事にしましたが、
生誕地の不明確な情報や、多彩な人脈の詳細について疑問が残っていました。

そこで今回は新資料として、本人の教則本『理論・実践的そして総合的なピアノ学校』(1912年)の
"伝記的メモ"より引用、翻訳しました。


  シュモール(アントン)、ライン沿いの町Strombergに1841年8月17日に生まれ、
  南フランスに早くに落ち着き、1865年にトゥールーズでデビューした。
  
  彼は有名な作曲家J. Leybach*1の弟子になり、第72ライン連隊の
  楽長のFerminetの指導の下、彼の最初の作品を演奏する*2
  
  数年後、彼がパリに引っ越したとき、
  Henri Herz、Adrien Talexy、Friedrich Burgmüllerと機会を見つけ、
  そしてついにStephen Heller1)と個人的に知るまでになる*3
  こ(れら)の名人は、彼の芸術的才能を見逃さず、暖かい思いやりで迎え、
  彼の音楽作品への興味から教授と良いアドバイスで彼を支援した。

  ブリュッセルで3年間滞在した後、彼は1875年にパリへ戻り、
  そこにしっかりと落ち着き多くのピアノ作品を次々に出版し、
  その中でも彼のMethodeは第一級と断言される。
  [……]

  1) Schmollは1905年に既にペール・ラシェーズ墓地にStephen Hellerのモニュメント建設を主導している。
  三年間の努力の後、彼は仕事の完成を見て、公の落成式に出席することに満足した。


誕生年月日はともかく、"The Etude"誌と照らすと微妙に年が前後しますが、
より詳細な動きも見えてくるのではないかと思います。

疑問だった生誕地は、クロイツナハに近くライン川沿いであることから
やはりStrombergが正しいようです。

師事したレイバックはショパンに師事したと言われ、どれほどの関係かは不明ですが
シュモールをショパンの孫弟子と置ける可能性も出てきます。

日本で有名なヨハン・ブルグミュラーと知り合った記述も興味深く、
事実、シュモールは1871年出版の作品31を献呈しています*4
今回の資料からも、'74-5年に定住する前からパリに行き来していたことがわかります。

資料注釈、ステファン・ヘラーのモニュメントは英語版ウィキペディアでそれと思われる写真が確認できます*5


出典・参考:
Schmoll, A. Theoretisch-praktische und synthetische Klavierschule. Paris, 1912. "B. N."
*1) イグナス・X・J・レイバック(1817-1891)。カルクブレンナーやショパンの弟子。
*2) 本人以外での初演か。この段落の訳は、情報不足により上手くないです
*3) アンリ・エルツ(1803-1888)。
  Adrien Talexy(1820-1881)。
  ヨハン・フリードリヒ・F・ブルグミュラー(1806-1874)。「25の練習曲」で有名。ドイツ出身のパリの作曲家。
  ステファン・ヘラー(1813-1888)。

*4) IMSLP. Les plaisirs champêtres, Opp.31-33 (Schmoll, Anton).
*5) Wikipedia(en). Stephen Heller.

category: 作曲家の資料

tag: 音楽  A.シュモール 
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A.シュモール:"粉屋のおかみの歌"(作品50-6) 

 

アントン・シュモール(1841-1931?)の作品50も、第2部に入り
第6番"粉屋のおかみの歌 / Le Chant de la Meunière"をアップしました。


ハ長調、2/4拍子。3部形式。
ドゥエ(Douai)音楽アカデミー、Marie Sarazin夫人の若い生徒に。

メロディを重音かつスタッカートで弾く軽快な練習曲。
B部ではようやく属調(ト長調)のI、Vの和音が登場します。

全5部のうち、第2部の最初の曲。
第1部の第1~5番は舞曲などの形式によっていましたが、今回の曲は標題のみです。

表題のMeunière(ムニエル)は、美的にシューベルトで有名な「水車小屋の娘」の仏語訳ですが
普通は粉屋の女性形ですので「粉屋のおかみ」としました。水車は製粉用ということですかね

前奏のアウフタクトが強拍にしか聞こえない演奏ですが、練習時間的にこのくらいで(汗)

category: シュモール,A

tag: 弾いてみた  A.シュモール 
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ブログ報告(12/07) 

 

11月までにRohde、Schmoll、Lichner、Hackhについての記事を修正しました。

まだ修正したい箇所はありますが、見直していたらものすごい計算ミスなどがあり

そうしたものを優先して公開し直しました。また、出典元の整理などなど。


これからも作曲家の記事を見直して行きながら、録音記事も修正して公開し直します。

category: 未分類

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再開します 

 

空苑です。

仕切り直しでブログ移転も考えましたが、記事へリンクして頂いてるものもあるだろうということで

記事整理はまだですが、一応ブログは開放しておきます。


今後は作曲家の資料を置いていこうと思いますので、訪問をお返ししたりといった

ブログらしい交流は基本的にしない方針です。


、、、まぁ、気ままにやりますので、よろしくお願いします(笑)

category: 未分類

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ボンダジェフスカ:森のこだま(朝のさえずり) 

 

今回は「乙女の祈り」で有名なポーランドの作曲家・ピアニスト、
テクラ・ボンダジェフスカ(183?-1861)の「森のこだま(朝のさえずり)」をなんとか弾いてみました。



主題は変ロ長調の2/4拍子。大きく分けてABAの3部形式。

前奏は1羽の鳥のこだまが響いている様子(Echo.とあります)です。(0:00)

A部主題aは小鳥のさえずりとカッコウ(?)が交互に現れながら進行します。(0:27)
少しポルカの様な印象ですね。A部中間部bはオクターブ間でこだまが交互に現れます。(0:56)


中間部B部ではホルンの音色がいきなり力強く鳴り響きます(笑)(1:48)

A部は変ロ長調(♭2コ)。B部に入ると変ホ長調(♭3コ)になりますが
B部繰り返しで変ト長調(♭6コ!)に転調します。(2:18)
少し遠めの転調をしただけですが感動的な効果があり、またいかにもロマン派的です。

B部後半は森を進んで行くホルン、狩人たち?のような印象。(2:49)
そして、去って行ったと思ったら、極めつけのホルンが鳴らされます(笑)


森が静まった後、再現部に入り、鳥の歌が再開します。(3:40)

コーダも交互に32分音符の華やかなパッセージが現れます(5:08)が、演奏では力尽きてます(汗)


- - - - -

めちゃくちゃ目が回る曲でした。

本当、両手の跳躍が多く、鍵盤がどこにあるのか、みたいになりました。
拍感、ミスタッチ、音圧(?)等失礼しましたー(´▿`;)

個人的にこの人の名前はバダルジェフスカの表記の方が馴染み深いのですが
発音サイトで確認したら確かにボンダ-と聞こえます。ボンダ...

副題?の"Carollings at morn"の"Carol"は"鳥のさえずり"の意味もあるようで
"morn"はmorn-ingの古い形で"朝"。。。ムム。


ボンダジェフスカはサロンのピアニストだけあって、他のどの曲でも難しい箇所がありますが
作品として面白く華やかな場面があり創作の意欲が感じられます。
ピアノの腕に自信がある方には、ぜひ魅力を引き出してほしいと思う作曲家です。

category: ボンダジェフスカ,T

thread: 今日の1曲 - janre: 音楽

tag: 音楽  あたらし作曲家紹介  T.ボンダジェフスカ 
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